映画「万引き家族」といえば、カンヌ国際映画祭バルム・ドール、日本アカデミー賞を始め、数々の賞を受賞した話題作。
是枝裕和監督が描いた、ヒューマンドラマです。
[映画ニュース] 是枝監督「万引き家族」、カンヌ映画祭最高賞のパルムドールに! https://t.co/F6IvN1K6Ls pic.twitter.com/AYHcvm7Wjp
— 映画.com (@eigacom) May 19, 2018
「いろいろ考えさせられた」「感動した」などと高評価が挙がる一方で、「気持ち悪い」という声も多数見られました。
気持ち悪いと思った人は、何が、どこが、どんな風にそう感じるのか?
見た方の感想を探りながら、私自身の感想も含めてまとめます。
映画「万引き家族」が気持ち悪い理由❶そもそも「万引き家族」て…
万引き家族なんて、タイトルが気持ち悪いよね。
最近、そういうのが多過ぎて、辟易する。
映画が廃るのも自明の理。
見なくても、少なくとも損はしない。— 汐緒 (@meromeromemeron) May 20, 2018
ずっと 万引き家族っていうタイトルが気持ち悪いんだが…
— ケンタ (@kenta_dc2) July 18, 2019
私も最初、えっ!?とは思いましたね。
そして、「万引き」と言っていながらも、それに相反するような、なんだか和気藹々としたポスター。
どういうこと?
て感じです。
映画の登場人物たちは、万引きをしながら生計を立てています。
それに対して、
”なんで万引きを美談にしてるのか…ダメなことはだめ”
”とにかくきつい。泥棒の日常を描いたドキュメンタリー。”
といったように、そもそもとして、いくらどんな話でも万引きは犯罪、それを題材として盛り込んでいる時点で気持ち悪いでしょ、
というような声も見られました。
これはちょっとわかるような気がします。
やはり万引きをしているということが絡んでいることで、この家族、特に大人たちが抱く様々な感情に、同感しきれないところがあるというか。。
そうしなければ生きていけない、日本の状況としてなんちゃらかんちゃら…という意見もあり、それもすっごくわかるんです。
わかるが故に、この家族に感情移入しそうになる、でも万引き…みたいに狭間で揺れて、最後、あ〜感動したわ〜(涙)、と素直にスッキリできなかったというのが正直な感想です。
こんなこと言っては、お前はわかってない!と批判もあるでしょうが、素直な気持ちです。
映画「万引き家族」が気持ち悪い理由❷「生々しい」
万引き家族気持ち悪い映画だったなー。生々しいの苦手だな。
— まっぎょ (@ciriiiiiiiiiii) June 16, 2018
万引き家族さ、感動というより生々しくて気持ち悪いけど、自分にも当てはまる部分があるから、すっっっげぇ複雑な心境です。
— Ami(あみ) (@Ami_XXX_imA) October 26, 2021
この、「生々しさ」は私もすごく感じました。
ストーリーは非現実的でありながらも、すごくナチュラルというか。
これは、出演されている俳優さんたちが皆さん、めちゃくちゃ演技が上手いからだとも思います。
そして、学校に行けないとか、万引きで生計を立てるとか、現実にはなかなかないと思いますが、それでもこの家族のように日本経済の中で苦しむ人がいるのは事実。
虐待に苦しむ子供がいるのも事実。
表現は万引きだったり、血の繋がらない家族の集まりという非現実的なものだったりしますが、そんなリアルな部分を思い知らされ、生々しく気持ち悪い感情を抱くのもわかるな〜と思います。
映画なのに、ドキュメンタリーを見ているような感覚にもなるんです。
映画「万引き家族」が気持ち悪い理由❸ストーリーが…
実は私も、すっごく感動したから是非見てほしい!派ではないのです。。
かといって、気持ち悪いからもう無理…となった訳ではなく、確かに心揺さぶられて涙が溢れるシーンも多々ありました。
ですが、テーマが重いんでしょうね、おそらく。
考えさせられすぎるんです。
そして、考えさせられる要素がひとつではなく、たくさんある。
家族とは。
経済とは。
犯罪とは。
幸せとは。
生きるとは。
そして、それに対する明確な答えがある訳ではなく、見た人それぞれが抱いた思いが答え、みたいな感じで映画は終わります。
そのため、見た後、良いもの見たなという思いではなく、なんとも言えない後味が、私は残りました。
映画を観た後って、しばらく余韻が続き、その世界観から抜け出せなかったりしますよね。
ですが、それともまた違う余韻の中で、いろんな感情に包まれてしばらくグルグルしていました。
一言だけで表すとすると、「切なさ」でしょうか。。
切なかったです。
この万引き家族の色々な体験や思いが。
”この家族もやし、家族の周りにいる職場の人とかお客さんとか、みんなどっかで傷ついてて、寄り添いあって慰め合って暮らしてる感じが悲しかった、、、”
”色ん悪と正義が混ざり合って貧困と児童虐待、ネグレクトだけでなく、各々の登場人物に様々な闇があることでかなり物語が深くなっている。”
確かにです・・・
そこからうまく自分なりの答えを見つけられたら、とっても心に残る感動の作品になるのかもしれません。
なので、「気持ち悪い」という表現はしっくりは来ていないものの、そう表現する人がたくさんいるのもわかる気がします。
まとめ
以上、映画「万引き家族」に気持ち悪いの声が挙がっていることについて、感想を探りながら私の気持ちも盛り込んでお伝えしました。
私は映画を見ると、結構どっぷりハマってしまう方なので、万引き家族を見た後はハマっているのが耐えれず、ファンタジー映画が見たくなりました。
現実逃避ですね。笑
フィクションでありながらもリアリティがあり、ヒューマンドラマが好きな方にはおすすめだと思います。