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流浪の月が気持ち悪いと言われる要因は?あらすじを絡めて考察

映画

2020年本屋大賞で、大賞を受賞した「流浪の月」が映画化され話題になっていますね。

広瀬すずさん、松坂桃李さんはじめ、豪華キャスト陣についても、「原作にピッタリ」「原作の上を行く」などと評判です。

ですが、その反面(?)、「気持ち悪い」という感想も上がっている。。

原作を読んでいない方にも、ネタバレにならないよう、あらすじを絡めて「気持ち悪い」と感じている人の声から考察してまとめました。

 

流浪の月に気持ち悪いという感想が出てくる理由

流浪の月は、とてもシリアスで奥の深いストーリー。

単純明快に、誰もが笑えて涙する、みたいなモノではないので、見る人の価値観によって様々な感想が出てくるのはわかります。

SNS上の感想や、原作を読んだ方の口コミを探っていると、流浪の月を気持ち悪いと感じる理由には、大きく分けて2つあることが見えてきました。

流浪の月が気持ち悪い理由❶そもそものあらすじ設定が…

ここで簡単にあらすじに触れておきます。

メインは広瀬すずさん演じる更紗と、松坂桃李さん演じる文のストーリー。

10歳の頃、孤独感を抱えていた更紗と、大学生だった文が出会う。

ふみは更紗を部屋に連れて行き、2ヶ月間文の部屋で過ごしますが、文は誘拐犯とされ逮捕されてしまいます。

時は流れ、15年後、2人は再開するのですが・・・

 

このストーリー、決して、犯罪はいけないとか、誘拐について取り上げた話ではないです。

ですが、そこに着目すると気持ち悪いと感じる人がいるようですね。

そして、これ言ったらネタバレになるか微妙なとこではありますが、「ロリコン」についての世間の常識や、その当事者の苦悩も描かれています。

そして、主人公の更紗に共感できない人からも、すっきりしない評価が見受けられました。

・流浪の月の設定が気持ち悪くて仕方ない

・ロリコン犯罪を美化しているだけ

・普通じゃないって気付けない主人公と文にはゾワゾワとした違和感

・主人公が勝手で不快



先にも申しましたように、犯罪についてのお話ではありません。

二人がどんな思いを抱えている中出会ったのか、そして、15年前に出会ってから、再開するまでの生き様、再開してからの2人の思い…。

そんなところに、それぞれに見た人が何を思うのか?ということではないかと個人的には思うのですが、どうしても世間では犯罪とされることで繋がった二人

そして、それを受け入れ生きている更紗もまた、世間的に見たら屈折していると捉えられる部分もあるのかもしれません。

流浪の月が気持ち悪い理由❷世間の「普通」へのモヤモヤ

世の中、多様性が叫ばれ、昔と比べたら様々な人・コト・モノが認められるようになってきています。

普通って何?という観点ですね。

この物語には、世間的には「ロリコン犯罪者とその被害者」とされてしまった二人のことが描かれています。

ですが、簡単に言ってしまうと、二人にはさらさらそんなつもりはなく、お互いを強く求め合っています。

 

二人がどんな気持ちで、何を感じ、どうしたいと思っているのか?

それは二人にしかわからないこと。

世間で言われている二人のことと、本人たちが知っている二人は違う、世間でいう普通や常識の中に収まらない二人

そんな二人が描かれる物語で、世間の普通について気持ち悪いと改めて感じた人も多いようです。

・小児性愛者よりも、それを取り囲む憎悪の目や批判がときにおそろしい。

・人は自分の型にはめたがり、時にそれを善意だと勘違いする。気持ち悪い。

・ネットでありふれた情報に流され他人を誹謗中傷する人間にはなりたくない。



この❷寄りの「気持ち悪い」は、作品に対してとても好意的な方が多いです。

二人だけが知っている事実と、社会で認識されている二人のズレ

それを思うと、普段から、真実ではないものをいかに真実であるかのように見ているか…。

そんなことを、二人のストーリーを通して、改めて考えさせられた人も少なくないようです。

 

流浪の月の”気持ち悪い要因”

「気持ち悪い」と聞くと、言葉が悪い印象ですが、感覚的なことを表現するときに使われたりもしますよね。

ネタバレになってしまうので多くは書きませんが、松坂桃李さん演じる「文」は、とても影のある特殊な人物であると言えるでしょう。

 

どちらかというと、心に傷を負いながらもどこかストレートなイメージの「更紗」と比べ、内に秘めた影の部分が色濃く、そしてそれが表に出ちゃってる感じがあります。

それが何なのかは、誰にもわからないけど、確実になんかある人なんだろうな、みたいな。

これは、最後の方で、あぁそうだったんだ…と明かされるのですが、私個人的には、そのシーンもとても切なかったです。

そういった、ありふれていない独特な雰囲気のある文に関して、「気持ち悪い役どころ」などと表現する人もいますね。

また、作品全体を通しても同じことが言えると思います。

登場人物は多くなく、二人の心に重きを置いた二人のストーリなのですが、単純明快ストーリーではありません。

見た人それぞれの心に何かを落としていくような深みもありますし、何より、題材として性の問題も絡めてあるので、複雑である意味「気持ち悪い」ストーリー、ということもできてしまうのでしょう。

これらは、決して悪い意味ではありませんよね。

気持ち悪い〇〇、これは、感覚や感情を表現する言葉として使われることもある、ということです。

実際、松坂桃李さんに関して、「うっすら気持ち悪い役なら松坂桃李!」などという口コミもあり、これは褒め言葉ですものね。

松坂桃李さんは、今までにも、このような一言では語れないような人物を、複数演じていらっしゃいますね。

それもまた、松坂桃李さんの魅力であり、どんな役をやってもその人物の奥まで表現できるというか、見ていてほんと惹きつけられてしまいます。

きっと、松坂桃李さんの心の器が大きく柔軟なのだろうな、と勝手に思っているのですが、そんな松坂桃李さんの過去の映画作品をまとめました。


こちらの記事もぜひご覧ください。↓

>>松坂桃李の映画は「クセ強め」が面白い!おすすめピックアップ


また、興味を持たれた方は、原作もぜひ読んでみてください。

映画とはまた違った、作者のストレートな思いも感じられるのではないかと思いますよ。

映画のシナリオブックも販売されています。

 

「流浪の月」を「気持ち悪い」で片づけなれない理由

私はこの作品は、世の中ではちょっとタブーとされるような題材をテーマにしていて、勇気ある映画化だなと思いました。

見ていると、あぁ、こういうところが気持ち悪い扱いされてしまうんだろうな…というところも、よくわかります、理解できます。

ですが、もっと本質的な部分が奥深くにはたくさん隠れていて、表面を見てジャッジするというのは、とても愚かなことだなとも思いました。

特に、この映画の中では、二人の味方が誰もいない…

それは、映画というお話なのでそうすることが必要だったのかもしれませんが、なんて無情なのだろうと、それこそが気持ち悪いと私は思いました。

流浪の月…流されるように生きていく二人の未来が、明るいものであるといいなと思います。

まとめ

以上、流浪の月が気持ち悪いといわれる要因についての考察でした。

良い意味でも、そうでない意味としても、この作品は多くの人の心を揺さぶっているのだと感じました。

この物語のシチュエーションは、現実として起こりうるには設定が複雑で、現実味は薄いかもしれません。

ですが、そのシチュエーションの中で、それぞれの人物が抱く思いや、求めるものに関してつい考えてしまう。

そんな深みのある作品で、だから、多くの人の心を揺さぶるのでしょうね。


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